.\"
.TH W3M 1 "2016-04-02" "w3m 0.5.3"
.SH NAME
.B w3m
\- text base pager/WWW browser
.SH SYNOPSYS
.B w3m
[options] [file | URL]
.SH DESCRIPTION
.SS はじめに
.B w3m
は,テキストベースのページャ/WWWブラウザです.これを使うと,
.I kterm\fR(1)
などのキャラクタ端末上で,ローカルファイルを見たり,WWWの内容を見たりすること
ができます.
.PP
引数にファイル名を指定すればそのファイルを表示し,URLを指定すればその内容を表
示します.何も指定しなければ,標準入力の内容を表示します.ただし,標準入力が
.I tty\fR(4)
である場合には,何もせずに終了します.
.PP
オプションは次の通りです.
.TP
.BI + 番号
起動後,指定の行番号に移動する.
.TP
.BI \-t\  幅
タブの幅を指定する.デフォルトは 8.
.TP
.B \-r
text/plainの文書を表示する場合,重ね打ちによる強調文字を表示しない.
このオプションを付けない場合,
``A^H_''
はAのアンダーラインとして表示され,
``A^HA''
はAのボールドとして表示される.
.TP
.BI \-l\  行数
標準入力の内容を表示するときに保存される最大行数を指定する.
デフォルトは10000.
.TP
.BI \-O\  文字コード
表示に使う文字コードを指定する.
.TP
.BI \-I\  文字コード
入力文書の文字コードを指定する.
.TP
.BI \-T\  タイプ
表示する文書のタイプを指定する.この指定がない場合,ファイル名の拡張子によって
自動判別される.判別できない場合はtext/plainとみなされる.
.PP
.RS
.B 例:
.TP
cat hoge*.html | w3m -T text/html
標準入力からHTMLファイルを読んで表示する
.TP
w3m -T text/plain hoge*.html
HTMLファイルのソースを表示する
.RE
.TP
.B \-m
Internet messageモードで表示する.Internet messageモードの場合,
ヘッダの内容を見て,Content-Type: があればそれを参考にする.電子メールや
ネットニュースの記事を読むときに便利.
.TP
.B \-v
visual startupモード.
コマンドライン引数に URL やファイルを指定していなくても
初期画面が表示される.
.TP
.B \-B
Bookmarkを表示する.
.TP
.BI \-bookmark\  file
Bookmark のファイルを指定する.
.TP
.B \-M
カラー表示をしない.
.TP
.B \-F
フレームを自動表示する.
.TP
.B \-s
連続する空行を1行にまとめて表示する.
.TP
.B \-X
.B w3m
終了時に,以前の画面に戻らない.
.TP
.BI \-title =TERM
端末のタイトル文字列を設定する.
.TP
.B \-W
折り返しサーチを使うかどうかを切りかえる.
.TP
.BI \-o\  option=value
オプションを指定する.
.TP
.B \-show-option
利用できるオプションを表示する.
.TP
.B \-no\-proxy
プロキシを利用しない.
.TP
.B \-no\-mouse
マウスを利用しない.
.TP
.B \-cookie
クッキーを処理する.
.TP
.B \-no\-cookie
クッキーを処理しない.
.TP
.B \-num
行番号を表示する.
.TP
.B \-dump
URLの内容を読みこみ,整形されたバッファの内容を標準出力に書き出す.
文書の幅は80桁と仮定される.この幅は,次の
.B \-cols
オプションで変更可能.
.TP
.BI \-cols\  幅
.B \-dump
オプションを使う場合に,文書の幅を指定する.
.TP
.BI \-ppc\  ピクセル数
文字の幅を指定する.デフォルトは 8.0.
.TP
.B \-dump_source
URLの内容を読みこみ,整形せずに標準出力に書き出す.漢字コード変換もされない.
.TP
.B \-dump_head
URLにアクセスし,ヘッダ情報を出力する.
.TP
.B \-dump_both
URLにアクセスし,ヘッダ情報とHTMLソースを出力する.
.TP
.B \-dump_extra
URLにアクセスし,拡張情報とヘッダ情報とHTMLソースを出力する.
.TP
.BI \-post\  file
ファイルの内容をPOSTする.
.TP
.BI \-header\  string
HTTP要求ヘッダを追加する.
.TP
.BI \-config\  file
configのファイルを指定する.
.TP
.B -help
ヘルプを表示する.
.TP
.B -version
w3m versionを表示する.
.SS 文書の表示内容
HTML文書を表示しているときには,次のような表示になります.
.in +8n
.TS
box tab(;);
l|c|c
l|c|c
l|c|c
l|c|c.
;カラー表示時;白黒表示時
_
リンク;青色;下線
インライン画像;緑色;反転表示
FORMの入力部分;赤色;反転表示
.TE
.PP
カラー表示時の色は,オプション設定パネル
.B o
で変更することができます.
.SS 起動後の使いかた
起動した後は,1文字のコマンドをキーボードから入力することで
.B w3m
を操作します.
.PP
コマンドには次のようなものがあります.以下の記述では,
.B C-x
はコントロールxを表します.また,
.B SPC
はスペースバー,
.B RET
はリターンキー,
.B ESC
はエスケープキーです.
.PP
ここで書いてあるのは,オリジナル版のキー操作です.
.\" \fIlynx\fr(1)
.\" 風のキー操作用にコンパイルしてあるものについては,
.\" \fIw3m_lynx(1)
.\" をごらんください.
.SS ページ/カーソル移動
.TP 1i
.B SPC, C-v
次のページを表示します.
.TP
.B b, "ESC v"
前のページを表示します.
.TP
.B l, C-f, 右矢印キー
カーソルを右に移動します.
.TP
.B h, C-b, 左矢印キー
カーソルを左に移動します.
.TP
.B j, C-n, 下矢印キー
カーソルを下に移動します.
.TP
.B k, C-p, 上矢印キー
カーソルを上に移動します.
.TP
.B J
画面を1行上にスクロールします.
.TP
.B K
画面を1行下にスクロールします.
.TP
.B ^
行頭に移動します.
.TP
.B $
行末に移動します.
.TP
.B w
次の単語に移動します.
.TP
.B W
前の単語に移動します.
.TP
.B >
画面全体を右にずらします.(表示内容を左にずらす)
.TP
.B <
画面全体を左にずらします.(表示内容を右にずらす)
.TP
.B ". "
画面全体を1文字右にずらします.(表示内容を左にずらす)
.TP
.B ", "
画面全体を1文字左にずらします.(表示内容を右にずらす)
.TP
.B g, M-<
文書のいちばん上の行に移動します.
.TP
.B G, M->
文書のいちばん下の行に移動します.
.TP
.B "ESC g"
画面下で行番号を入力し,そこで指定した行に移動します.
ここで
.B $
を入力すると,最終行に移動します.
.TP
.B Z
カーソルのある位置を行の中央に移動します.
.TP
.B z
カーソルのある行を画面の中央に移動します.
.TP
.B TAB
次のリンクに移動します.
.TP
.B C-u, "ESC TAB"
前のリンクに移動します.
.TP
.B [
最初のリンクに移動します.
.TP
.B ]
最後のリンクに移動します.
.SS ハイパーリンク操作
.TP
.B RET
現在カーソルがあるリンクが指す先の文書を読みこみます.
.TP
.B a, "ESC RET"
現在カーソルがあるリンクが指す先の文書をファイルに保存します.
.TP
.B u
現在カーソルがあるリンクが指す先のURLを表示します.
.TP
.B i
リンクに関連付けられた画像へのURLの表示します.
.TP
.B I
現在カーソルがあるリンクに対応する画像を表示します.
.TP
.B "ESC I"
現在カーソルがあるリンクが指す画像をファイルに保存します.
.TP
.B ":"
URL風の文字列をリンクにします.この機能は,HTMLでない文書を
読んでいるときにも有効です.
.TP
.B "ESC :"
Message-ID風の文字列を,news: のリンクにします.この機能は,HTMLでない文書を
読んでいるときにも有効です.
.TP
.B c
現在の文書のURLを表示します.
.TP
.B =
現在の文書に関する情報を表示します.
.TP
.B C-g
ページ中での現在位置を表示します.
.TP
.B C-h
URL履歴を表示します.
.TP
.B F
<FRAMESET>を含む文書を表示しているときに,<FRAME>タグの指す複数の文書を1つの
文書に変換して表示します.
.TP
.B M
現在見ているページを,外部ブラウザを使って表示します.
.B 2M, 3M, ..., 9M
で2番目,3番目,9番目のブラウザを使います.
.TP
.B "ESC M"
現在のリンク先を,外部ブラウザを使って表示します.
.B "2ESC M", "3ESC M", ..., "9ESC M"
で2番目,3番目,9番目のブラウザを使います.
.SS ファイルとURL関係の操作
.TP
.B U
URLを指定して開きます.
.TP
.B V
ローカルファイルを指定して開きます.
.TP
.B @
コマンドを実行し,結果を全部読んでから表示します.
.TP
.B #
コマンドを実行し,結果を読みこみながら表示します.
.SS バッファ操作
.TP
.B B
現在見ているバッファを削除し,一つ前のバッファを表示します.
.TP
.B v
HTMLのソースを表示します.
.TP
.B s
バッファ選択モードに入ります.
.TP
.B E
現在見ているバッファがローカルファイルの場合,そのファイルをエディタで編集しま
す.エディタを終了した後,そのファイルを再度読み込みます.
.TP
.B C-l
画面を再描画します.
.TP
.B R
バッファを再度読み込みます.
.TP
.B S
バッファの表示内容をファイルに保存します.
.TP
.B "ESC s"
HTMLのソースをファイルに保存します.
.B v
でソースを表示して
.B S
で保存するのとほぼ同じですが,
.B "ESC s"
で保存したファイルは漢字コードがオリジナルのままであるのに対して,
.B "v S"
で保存すると現在表示に使っている漢字コードに変換されて保存されます.
.TP
.B "ESC e"
現在表示されているバッファを,表示されている形式のままエディタで編集します.
.SS バッファ選択モード
.B s
でバッファ選択モードに入ったときのキー操作です.
.TP
.B k, C-p
一つ上のバッファを選択します.
.TP
.B j, C-n
一つ下のバッファを選択します.
.TP
.B D
現在選択しているバッファを削除します.
.TP
.B RET
現在選択しているバッファを表示します.
.SS ブックマーク操作
.TP
.B "ESC b"
ブックマークを読み込みます.
.TP
.B "ESC a"
現在見ているページをブックマークに追加します.
.SS 検索
.TP
.B /, C-s
現在のカーソル位置からファイル末尾に向かって正規表現を検索します.
.TP
.B ?,  C-r
現在のカーソル位置からファイルの先頭に向かって正規表現を検索します.
.TP
.B n
次を検索します.
.TP
.B N
前を検索します.
.TP
.B C-w
折り返し検索モードを切り換えます.
.SS マーク操作
.TP
.B C-SPC
マークを設定/解除します.マークは反転表示されます.
.TP
.B "ESC p"
一つ前のマークに移動します.
.TP
.B "ESC n"
一つ後のマークに移動します.
.TP
.B "\""
正規表現で指定された文字列を全てマークします.
.SS その他
.TP
.B !
シェルコマンドを実行します.
.TP
.B H
ヘルプファイルを表示します.
.TP
.B o
オプション設定パネルを表示します.
.TP
.B C-k
クッキー一覧を表示します.
.TP
.B C-c
文書の読み込みを中断します.
.TP
.B C-z
サスペンドします.
.TP
.B q
.B w3m
を終了します.オプションの設定によって,終了するかどうか確認します.
.TP
.B Q
確認せずに
.B w3m
を終了します.
.SS 行編集
画面の最下行で文字列を入力する場合に有効なキー操作です.
.TP
.B C-f
カーソルを右に移動します.
.TP
.B C-b
カーソルを左に移動します.
.TP
.B C-h
カーソルの直前の文字を削除します.
.TP
.B C-d
カーソル位置の文字を削除します.
.TP
.B C-k
カーソル位置から後を削除します.
.TP
.B C-u
カーソル位置から前を削除します.
.TP
.B C-a
文字列の先頭に移動します.
.TP
.B C-e
文字列の最後に移動します.
.TP
.B C-p
ヒストリから一つ前の文字列を取り出します.
.TP
.B C-n
ヒストリから次の文字列を取り出します.
.TP
.B TAB, SPC
ファイル名入力時に,ファイル名を補完します.
.TP
.B RET
入力を終了します.
.SH SEE ALSO
.I kterm\fR(1),
.\" .I lynx\fR(1),
.\" .I w3m_lynx\fR(1),
.I tty\fR(4)
.SH AUTHOR
伊藤 彰則
.br
aito@fw.ipsj.or.jp